こんにちは。ビューティウィンド編集部です。
シミ取り治療用のレーザーにはさまざまな種類がありますが、「炭酸ガスレーザー」というレーザーは聞いたことがあるでしょうか。
一般的に「シミ」と言われて思い浮かぶタイプのシミには、あまり使われないため、聞いたことがない人もいるでしょう。
しかしあるタイプのシミは、炭酸ガスレーザーでなければ治療ができないのです。
今回はそんな炭酸ガスレーザーについて、どのようなシミに効果があり、どのような治療が行われるのかをご紹介します。
炭酸ガスレーザーとは?
炭酸ガスレーザーとは「CO2レーザー」と呼ばれることもあるレーザーです。
CO2とは二酸化炭素の化学記号ですが、炭酸ガスレーザーは気体中の二酸化炭素を使って、シミ治療を行うためのパワーを得るレーザーです。
そんな仕組みで出来ている炭酸ガスレーザーですが、具体的にどのようにシミを取るのでしょうか。
炭酸ガスレーザーがシミを取るしくみ
炭酸ガスレーザーは水分に反応するレーザーです。
皮膚には水分が含まれているため、レーザーを照射するとその部分の水分が反応し、炭酸ガスレーザーが熱を発します。
その時皮膚に含まれた水分が蒸散するため、皮膚が削られます。
つまり炭酸ガスレーザーをシミがある部分に照射すれば、そのシミがある部分が削り取られるため、シミがなくなるのです。
ただし炭酸ガスレーザーが削り取るのは、皮膚の表面だけのため、皮膚の深いところからあるシミだと再発の可能性もあります。
とは言え表面しか削らないため、レーザーを照射した部分の回復は早めです。
炭酸ガスレーザーが効果的な症例
実は「シミ」と聞いて一般的に思い浮かべるような、老人性色素斑やそばかすなどの治療に炭酸ガスレーザーが用いられることは通常ありません。
何故なら、これらのシミは炭酸ガスレーザー以外のレーザーで、皮膚を削り取ることなく治療ができるからです。
では炭酸ガスレーザーがどのようなシミに効果的かというと、皮膚の上で膨らんでいる「脂漏性角化症」と呼ばれるシミです。
脂漏性角化症は主に加齢が原因でできるシミですが、膨らんでいるため通常のレーザーでは治療が難しく、炭酸ガスレーザーで削り取る必要があるのです。
またその他にも、ほくろ除去では炭酸ガスレーザーがよく用いられます。
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炭酸ガスレーザーでのシミ取り治療後経過
通常のレーザーでのシミ取りは、治療後1週間程度は保護テープを貼ったり、軟膏を塗ったりするケアが必要です。
では炭酸ガスレーザーを使ってシミ取り治療をした場合、治療後の経過はどうなのでしょうか。
ここからは炭酸ガスレーザーでのシミ取り治療後の経過についてご紹介します。
傷は少し深めで痛みが残る
炭酸ガスレーザーを使った場合、皮膚の表面を削り取るため、他のレーザーよりは傷が少し深めになり、痛みも残ることが多いです。
我慢できないほどの痛みではありませんが、他のレーザーよりは痛みが続く時間が長く感じるでしょう。
通常のレーザーのように保護テープを貼る
炭酸ガスレーザーでシミ取りをした場合も、患部に保護テープを貼ります。
軟膏が処方されていれば、保護テープを貼る前に患部に軟膏を塗ります。
保護テープで保護するのは、他のレーザーでの治療と共通しています。
しかし炭酸ガスレーザーの場合傷が深めなため、2〜3週間ほど保護テープを貼り続けることが多いです。
この間、経過観察のために診察を受けることもあります。
かさぶたが剥がれ下からピンク色の皮膚が出て来る
治療後数日以内に、患部にかさぶたが出来ます。
そのかさぶたが剥がれたり、治癒したりすると、下からピンク色の皮膚が出てきます。
かさぶたが剥がれるか治癒した時点で、保護テープの必要はなくなります。
半年程度で他の部分と同じ皮膚に
炭酸ガスレーザーでシミ取りをした場合、患部が他の部分と同じ正常な皮膚に戻るまでには、時間がかかります。
数ヶ月程度は、その部分がピンク色なので、意識して見れば治療跡だとわかるでしょう。
大体半年経つと他の部分と同じ色の皮膚になり、患部がほぼわからなくなります。
炭酸ガスレーザーによる治療後のケア注意点
炭酸ガスレーザーで治療を行った場合、患部を刺激しないことや紫外線を当てないことなどに気をつけなければなりません。
洗顔や入浴については、傷の深さにもよるため、医師の指示に従うようにしましょう。
また傷が深いと、一時的にへこんだ状態になったり、傷跡が残ったりすることもあります。
なるべく綺麗な状態に治癒させるためにも、患部はあまり触らないようにしてください。
まとめ
今回は膨らんだシミやほくろ除去など、使用される場面が限定される炭酸ガスレーザーについてご紹介しました。
老人性色素斑など、普通のシミでは出番のない炭酸ガスレーザーですが、炭酸ガスレーザーでしか治療ができないシミもあります。
もしも炭酸ガスレーザーが有効だと医師から伝えられた場合は、そのリスクやケア方法などをしっかり把握し、なるべく傷跡が残らないケアを意識しながら治療を進めていきましょう。